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作り直しを!

やり尽くしたでしょう。

そういう感じがします。プラモの話なのですが、もうプラモになるべき航空機は全部出ていて、後に残っている「実在はしたけれでもプラモになっていない」航空機というのは試作機・実験機の類で、そういうものは最低でも数千個は売らないとならない通常のプラモにはなりません。できません。しなくてよいです。変態がガレージキットで作っていればよいものだもの。

ところが、ここで奇妙な現象が起こっていて、それは「メジャーな機体ほどプラモは作りにくい」ということです。例えば航空自衛隊の主力戦闘機F-15イーグル。最もポピュラーな1/72という縮尺では、もう30年も経つキットが「最新」です。現在の眼からは特に作りやすさという点で決して満足なものではありません。

旧西側の傑作、F-4ファントム系列は実物で5,000機以上が生産されましたが、これも同様の30年前のキットが最新です。多くの形式を作れるキットとなっているために、そこを区別しながら作る必要があり、さらにこのために機首が別部品である等のネックがあります。

それにひきかえ、例えばイギリス海軍の「ワイバーン」という雷撃機は、実物がたったの50機ほどしかないのに、プラモになったのが3年前ですかね。5年前ですかね。パチパチとあっと言う間にできるものになっています。いや、それはおかしいよな。

このところ首をかしげざるをえないのが、1950年代、60年代の古きよきアメリカの戦闘機はもう半世紀も前に出たものを作らないとならないのです。基本的によいキットなので、今日でも通用するものはありますし、上手な人が時間をかければよいものがモノにできるのですが、F-101「ブードゥー」や、F-106「デルタダガー」等のノスタルジックな機体があんな古いキットしかない、というのは理不尽な感じさえするほどです。

ここへきて、イギリスの老舗「エアフィックス」というメーカーが、自社で古いキットを出していた機体について、新しいキットを出すようになりました。もちろん新金型です。カタチにするのも大変だった古い古いキットを、もう作った人、今コツコツと手を入れている人には災難ですが、これは非常な英断だと感じました。

まあ、もともとエアフィックスの旧キットなんて、文字通り箸にも棒にもかからないもので、なまじあるから他メーカーが出してくれない、などという悪口の対象だったものなので、継続しても売れはしなかったのですが、このあたりの思い切った判断を日本のメーカーもしてくれないかな、と願います。

もちろん、日本のメーカーはそんなことをして採算の取れるものならとっくにやっている、と言うことでしょうが、もうプラモになるようなものが出尽くしている以上、目先の採算ではなくて、「ロングテール」で長く売ることのできるものを考えないと、プラモなんて今以上に売れなくなってしまいますよ。

アメリカ空軍の「センチュリーシリーズ」や、F-4F-15が2週間くらいでできるパチパチキットになってくれたらなあ。オレたちだったら発狂したように買って作るけどなあ。もちろん今の値段とは言わない。このご時勢だから、4,000円や5,000円するのはしかたがないよ。どうしても無理なのかなあ。